崇礼門(スンネムン)は国宝第1号で普通「南大門(ナムデムン)」と呼ばれています。城門の建物としては最大規模のこの門は、整った形の巨大な石で積み上げた石段中央にアーチ型の入り口があり、段の上には柱と屋根が覆われ上層と下層に分かれています。両横の東側と西側には互いに行き来できるように扉もあります。
崇礼門の懸板にはほかの門とは違い、縦方向に「崇礼門」と書かれています。太祖(1335-1408)李成桂が都城を建設した当時、風水地理上ソウルの安山である冠岳山の形が火気を表しており、その火気が都城の中はもちろん景福宮までおよび、火災を起こすと信じられていました。崇礼門の「礼」の字は陰陽五行中、「火」に当たり、「崇」の字と縦に配列すれば、ちょうど火が燃え上がる形だと言われ、冠岳山の火気をこの火で防ごうという意図で縦に書いたと言われています。太宗(1367-1422)の長男・讓寧大君(1394-1462)の書で、壮重でありながらも力に溢れ非常に美しいものです。