官衙とは昔の役所のことです。 済州牧官衙(史跡第380号)は、朝鮮時代(1392~1910)済州道の政治・行政の中心地だった役所跡です。重要施設である東軒や内衙などの建物跡も確認されており、その位置や規模もわかっています。これらは観徳亭(宝物第322号)を含め、重要な遺跡地として指定されました。済州に現存する建物の内、最も古い は単層八作屋根という建物で、軒が長いのが特徴です。この観徳亭は兵士たちの訓練場として、1448年に建てられたものです。官衙施設は1434年の火災により全焼し、その後すぐに復元工事が行われましたが、日帝強占期(1910年8月~1945年8月15日)に壊され、観徳亭以外は跡形もなくなってしまいました。済州牧官衙を元の姿に戻そうと1991年から1998年まで、4回に渡る発掘調査が行われました。そして建物跡や建築構造が確認され、そこから出土した遺物をもとに、専門家や当代の文献によって2002年12月復元が完了しました。