聞慶(ムンギョン)セジェ道立公園は鳥も飛んで越えるのが難しい険しい山にある三つの関門がある公園です。鳥嶺山を越える聞慶セジェは昔から韓国で最も高く険しい峠でした。聞慶セジェは朝鮮(1392~1910)太宗(在位 1400∼1418)の時に開拓された道で1925年新しい道路が梨花嶺峠に通じるまで利用されました。このセジェに城壁と関門を作ったのは壬辰倭乱(1592年と1598年)以後です。1594年に第2関門である鳥谷関を設け, 1708年に主屹関と鳥嶺関を設け国防の要塞としました。この関門はそれ以降毁損しましたが1966年 第1、2、3関門と城壁が事蹟第147号に指定され1976年に復元されました。嶺南の第1関門である主屹関から大路に沿って1.5km程のぼると 鳥嶺院に着きます。院といいうのは 出張官吏に宿食を提供するために駅と駅の間に設置した旅館のようなもので現在は 石垣だけが残っています。1983年 復元された酒幕を過ぎると第2関門である鳥谷関に着きます。鳥谷関を中心としてこの一帶は斧折れの自生地として有名で 聞慶セジェ民謠碑が左側の道に建てられています。主屹関から鳥谷関までは3km。鳥谷関から鳥嶺関まで3.4kmに達する散策路には所々に岩と涼しげに流れる溪谷が調和をなしています。大路ではない水の音が聞こえる道に沿ってのぼると滝がでてきて更に 30分程のぼると惠国寺に着きます。惠国寺は主屹山の麓にある寺刹で恭愍王(在位 1351∼1374)が紅巾賊の乱(農民反乱)を避け留まった所です。 惠国寺 を過ぎ宮殿の跡を経て1km程のぼると主屹山霊峰に着きます。山の頂上から見下ろすと曲がりくねって広がる山脈が壮観な眺めです。このような 山の頂上から溪谷を過ぎると鳥谷関に着きます。聞慶 の3関門を抱く主屹山 (1,106m)は 主屹関から鳥谷関まで4~5時間程度かかり、この一帯は1981年に道立公園に指定されました。聞慶セジェ道立公園にあるKBSドラマ撮影場は時代劇専用セットとしては世界最高を誇っています。高麗時代の三つの宮殿と民家 等が6万㎡の敷地に作られています。